不動産価格は今後どうなる|上昇要因と下落リスクを徹底解説
更新日:1 日前
相続した実家や引き継いだ土地を前に、今後の不動産価格がどうなるのか判断がつかず、動けずにいる方は少なくありません。結論から言えば、日本の不動産市場は人口減少や金利の変化などの影響を受けながら、地域や物件によって価格動向が分かれると考えられています。
都市部の一等地とその他の地域では、二極化が進む可能性があります。大切なのは全国一律の値動きに一喜一憂することではなく、公的データをもとに保有する物件の立地や需要を個別に見極める視点です。
目次
1. 不動産価格は今後どうなる?推移と現状の全体像
1.1 直近の不動産価格の推移と現状の整理
今後の値動きを考える前に、まず直近の実績値を押さえておく必要があります。国土交通省の不動産価格指数は、2010年の平均を100として住宅の価格水準を数値化した公的データで、毎月更新されています。
下表は2025年9月時点の全国の指数を種別ごとに整理したものです。予測値ではなく、実際の取引をもとにした実績値です。
種別 | 指数(2010年=100) | 直近の傾向 |
|---|---|---|
住宅総合 | 145.4 | 緩やかな上昇 |
住宅地(土地) | 120.7 | ほぼ横ばい |
戸建住宅 | 118.6 | ほぼ横ばい |
マンション | 222.2 | 大幅な上昇 |
数字が示すのは、上昇をけん引してきたのがマンションで、戸建や土地はほぼ横ばいにとどまってきたという事実です。マンションは2010年比で約2.2倍に達しており、種別によって値動きが大きく分かれてきた点を、出発点として押さえておきたいところです。
1.2 今後の不動産価格を見通す際の前提と免責事項
今後の見通しを読む前に、前提として理解しておきたいことがあります。不動産価格の将来予測は、あくまで公開データや市場動向をもとにした考察であり、確実な数値を保証するものではありません。
金利や人口動態、政策の変化など複数の要因が絡み合うため、専門家の間でも見方が分かれます。本記事の見通しも断定ではなく、判断材料の一つとして受け取っていただきたいのです。
【免責事項】
本記事に記載した価格の見通しや考察は、執筆時点の公開データと市場動向をもとにした執筆者の個人的な見解であり、将来の価格や取引の結果を保証するものではありません。実際の不動産取引にあたっては、ご自身の責任と判断において行っていただきますようお願いいたします。
2. これまで不動産価格が上昇してきた主な要因
2.1 不動産価格を押し上げてきた要因の整理
ここ十数年で不動産価格が上昇してきた背景には、複数の要因が重なっています。
主なものは次の3点です。
日銀の金融緩和と物価上昇
建築資材と人件費の高騰
訪日客の増加によるインバウンド需要
長引いた低金利は住宅ローンを組みやすくし、買い手の購買力を下支えしてきました。
加えて、資材や人件費の上昇は新築価格に転嫁され、中古市場の水準も押し上げる方向に働きます。
これらは一過性の要因ばかりではないものの、金利や為替の局面が変われば効き方も変わります。上昇は複数の追い風が重なった結果であり、その前提が崩れれば反転もあり得ると理解しておくことが、今後を読むうえで欠かせません。
2.2 都市部と地方で分かれてきた価格の動き
同じ上昇局面でも、価格が伸びた地域とそうでない地域の差は大きく開いてきました。国交省の指数でも上昇の中心は東京や大阪といった大都市圏のマンションで、地方の住宅地には横ばいから緩やかな下落の地域も見られます。
地域による価格差については、公的統計や不動産市場のデータからも確認できます。
背景には、雇用や人口が集まる都市部へ実需と投資マネーの双方が向かいやすい構造があります。一方、人口が流出する地域では買い手が限られ、売り出しても値がつきにくい状況になりがちです。
全国平均の数字だけを見ると実態を見誤りやすく、エリアごとの需給を分けて考える必要があります。京都市内でも、中心部と郊外では需要の厚みが異なる点に注意が求められます。
3. 今後の不動産価格に影響を与える要因
3.1 金利上昇が不動産価格に与える影響
今後の価格を左右する最大の変数の一つが金利です。日銀が金融引き締めに向かう局面では、住宅ローン金利の上昇を通じて、不動産需要に影響を与える可能性があります。
金利上昇が価格に影響する経路は、主に次のとおりです。
住宅ローン金利の上昇で毎月返済額が増える
同じ返済額で借りられる総額が減る
買える価格帯が下がり、需要全体が弱まる
超低金利のもとでは、買い手がローンでレバレッジを効かせられたからこそ高値での取引が成立してきました。金利が上がれば、同じ年収でも組めるローンが縮み、その価格では届かない層が増えていきます。
金利の上昇は、買い手の購買力を通じて価格に効いてくるため、日銀の政策動向は今後の見通しで最も注視したい点の一つとされています。
3.2 人口減少と世帯数の変化が不動産の需給に与える影響
人口減少と世帯数の変化は、中長期の需要を静かに削っていく要因です。
国立社会保障・人口問題研究所の2024年推計によると、世帯総数は2030年の約5,773万世帯でピークを迎え、その後は減少に転じ、2050年には約5,261万世帯まで縮むと見込まれています。
これまでは単身世帯の増加が世帯数を押し上げ、住宅需要を下支えしてきました。しかしそのピークアウトが近づけば、住まいを必要とする世帯の総数そのものが減っていきます。
買い手となる世帯が減れば、空き家を含めた供給が需要を上回り、価格の下押し要因になりやすいという見方が成り立ちます。需要の縮小は全国一律ではなく、人口が流出する地域ほど早く表れやすい点も見落とせません。
こうした需要の先細りは、住まいの購入を考える人からも不安の声として上がっています。
3.3 税制改正や住宅ローン控除が価格に及ぼす影響
税制や住宅取得支援の制度も、買い手の動きを通じて価格に影響します。中でも住宅ローン控除は、購入を後押しする代表的な仕組みです。
2024年以降の住宅ローン控除の主な内容は次のとおりです。
控除率は年末のローン残高の0.7%
控除期間は新築で原則13年、既存住宅で10年
一般世帯の借入限度額は省エネ性能に応じて3,000万〜4,500万円
一般世帯の限度額は住宅の性能に応じて分かれ、認定長期優良・低炭素住宅で4,500万円、ZEH水準省エネ住宅で3,500万円、省エネ基準適合住宅で3,000万円が上限です。省エネ基準を満たさない新築住宅は原則として控除の対象外(0円)となるなど、住宅の性能によって支援の手厚さが変わる方向に制度が動いています。
さらに、子育て世帯や若者夫婦世帯が2024年に入居する場合は、限度額が一般世帯より引き上げられます。認定住宅で5,000万円、ZEH水準省エネ住宅で4,500万円、省エネ基準適合住宅で4,000万円と、4,000万〜5,000万円の手厚い優遇枠が設けられています。
制度が縮小・変更されれば買い控えにつながり、逆に拡充されれば需要を押し上げるため、税制改正の動きは価格を読むうえで見逃せません。
4. 相続や空き家をめぐる状況が今後の不動産価格に与える影響
4.1 相続した不動産が売却に回るケースと供給への影響
相続をきっかけに市場へ出てくる不動産は、今後の供給を考えるうえで無視できない存在です。取得した実家に住まないケースが増えれば、売り物件が市場に上乗せされていきます。
供給側で起こりやすいのは、次のような動きです。
遠方の実家を相続したが住む予定がない
維持費や固定資産税の負担を避けたい
兄弟姉妹で分けるため現金化したい
団塊の世代の高齢化に伴い、これから相続される不動産は増えていくと見込まれます。
都市部で持ち家を構える現役世代の多くはすでに住まいを持っており、引き継いだ実家を売って現金化する判断に傾きやすいのが実情です。
こうした相続物件の売り圧力は、地域によっては需給を緩ませる方向に働きます。住む予定のない不動産を持て余す前に、早い段階で売却も含めた選択肢を整理しておくことが、価格の下がる局面での判断の遅れを防ぎます。
4.2 空き家が地域の不動産価格に及ぼす影響
空き家の増加は、周辺の不動産価格にじわじわと影響します。
総務省の2023年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は約900万戸、住宅総数に占める空き家率は13.8%と過去最高を更新しました。
空き家が増えた地域では、管理されない建物が景観や治安への不安を生み、周辺物件の需要を弱める要因になりがちです。売り出しても買い手が現れにくく、価格を下げても取引が成立しない状況も見られます。
空き家率の上昇は、地域によっては住宅需要とのバランスに影響し、価格形成の一要因になる可能性があります。とりわけ人口減少が進む地域では、この傾向がより早く表面化しかねません。
空き家の増加と価格の関係は、実際に持ち家の今後を考える人の関心事にもなっています。
4.3 都市部と地方で分かれる不動産価格の動き
今後の不動産価格を一言で表すなら、全国一律の下落ではなく二極化の進行という見方が有力です。同じ下落局面でも、資金が集まる場所と見向きされない場所の差が広がると予測されています。
二極化は、おおむね次のように整理できます。
大都市の中心部や主要駅前は需要が途切れにくい
郊外や駅から遠い住宅地は買い手が減りやすい
地方の過疎地域は無価値化のリスクを抱える
金利が上がり人口が減っても、国内外の富裕層や法人の資金は限られた一等地に集中しやすいという構造があります。その一方で、多くの地域では買い手が細り、価格の下押し圧力を受け続けます。
土地を保有しているだけで将来的な価値が保証されるとは限らないため、立地や需要を踏まえて資産価値を見極めることが重要です。保有する不動産がどちらに位置するかを冷静に判断する必要があります。
5. 今後の不動産価格や相場を自分で調べる方法
5.1 国交省の不動産価格指数など公的データの見方
相場は、公的データを使えば自分でもある程度つかめます。
信頼できる一次情報を、次の手順で確認してみてください。
不動産価格指数で全国・地域別の値動きの傾向を確認する
地価公示・地価調査で対象エリアの標準地の価格水準を調べる
不動産取引価格情報検索で近隣の実際の成約価格帯を照らし合わせる
まず指数で大きなトレンドをつかみ、次に地価公示でエリアの水準を確認し、最後に実際の取引価格で具体的な相場感に落とし込む、という順序が分かりやすい流れです。いずれも国土交通省が無料で公開しています。
複数の公的データを重ねて見ることで、広告やうわさに左右されない相場観を持てるようになります。数字の裏取りは、売るか持つかを判断する第一歩です。
5.2 保有する不動産の状況を整理する際の視点
相場の全体像をつかんだら、次は保有する物件そのものを見極める番です。同じ地域でも、条件によって売りやすさは大きく変わります。
見るべき視点は、立地・築年数・需要の有無の3つに整理できます。駅からの距離や生活の利便性、建物の傷み具合、そのエリアに買い手が付くだけの人口や需要があるかを、順に確認していきます。
自分の物件が二極化のどちら側にあるのかを具体的に把握することが、売却か保有かの判断基準になります。書類上の評価額だけでなく、実際に買い手が付く価格かどうかまで踏み込んで考えておきたいところです。
6. 相続した不動産の今後を京都で考えるなら行政書士葵法務事務所へ
6.1 不動産をどうすべきか迷う方に向いている相談内容
相続した不動産をどうすべきか迷ったとき、最初の相談先に悩む方は少なくありません。
手続きの進め方が分からない、費用や税金がいくらかかるのか不安、そもそも売るべきか持ち続けるべきか決められない、といった状態です。
こうした場面で、行政書士葵法務事務所は不動産に関わる相談窓口として、相談者の状況を一緒に整理します。京都市と大阪市を中心に、相続で取得した不動産の処分相談や空き家相談に対応しています。
売却を前提に急かすのではなく、持ち続ける選択肢も含めて中立的に整理する姿勢を大切にしています。判断に必要な情報がそろえば、慌てて動かずに済み、後悔の少ない選択につながります。
6.2 各士業と連携した中立的なサポート体制
不動産の相続には、行政書士だけでは完結しない場面が出てきます。行政書士葵法務事務所の強みは、有資格者による対応と各士業との連携体制にあります。
対応と連携の体制は、次のとおりです。
行政書士・宅地建物取引士の有資格者が対応
登記や境界の問題は司法書士・土地家屋調査士と連携
調停や紛争は弁護士と連携
たとえば、建物の名義が数世代前のままで法定相続人が数十名にのぼる事案でも、弁護士と連携して遺産分割を進め、売却できる状態まで整えた実績があります。
また、購入した土地の一部が他人名義であることが判明した事案では、土地家屋調査士や弁護士と連携し、権利関係の整理に対応した実績もあります。窓口が一つでも、必要に応じて各分野の専門家へつなげる体制が整っているのです。
資格を持つ担当者が必ず対応し、全体や将来を俯瞰したアドバイスができる点は、単発の手続き代行との違いです。詳しい体制は行政書士葵法務事務所でも確認できます。
6.3 相談前に知っておきたい注意点
相談にあたっては、あらかじめ知っておいてほしい注意点があります。売却の方法には仲介と業者買取があり、それぞれに一長一短があります。
仲介は市場価格に近い金額を狙える一方で、買い手が見つかるまで時間がかかります。
業者買取は早く現金化できる反面、価格は相場より抑えられる傾向にあります。どちらが適しているかは、急ぎ具合や物件の状況によって変わるのです。
相手方や第三者の承諾を要する事柄は、必ずしも思いどおりに進むとは限りません。
共有者の同意や隣地との調整が必要な場合など、時間と手間がかかる前提で臨むことが、無用な期待外れを避けることにつながります。
7. 不動産の今後の価格に関するよくある質問
今後の不動産価格について、特によく寄せられる疑問を取り上げます。いずれも断定ではなく、公開データにもとづく予測・考察としての回答です。判断の材料として参考にしてください。
7.1 質問1:不動産価格は今後全国的に下がっていくのですか?
全国の平均で見れば、今後の地価は下がりやすい局面にあると考えられます。
人口減少による買い手の減少に、金利上昇による購買力の低下、相続や空き家による供給増が重なるためです。
ただし、これは全ての不動産が一様に下がるという意味ではありません。都市部で需要が途切れにくい場所もあり、地域や物件によって動きは大きく分かれます。全国のニュースだけで判断せず、対象エリアの需給を個別に確認しておきたいところです。
7.2 質問2:都市部と地方で今後の価格の動きはどう違いますか?
都市部と地方では、今後の価格の方向感が分かれると予測されています。
要点は次のとおりです。
都市の中心部は需要が集まり価格が底堅い
郊外の住宅地は買い手が減り下落しやすい
地方の過疎地域は取引そのものが成立しにくい
同じ不動産でも、資金や人口が集まる場所とそうでない場所では見通しが逆になります。
保有する物件がどの位置にあるかを見極めることが、売却や保有を考える出発点になります。
7.3 質問3:相続した不動産は今のうちに売った方がよいですか?
売却はあくまで選択肢の一つであり、誰にとっても今すぐ売るべきとは言い切れません。
判断は、物件の立地・維持コスト・ご自身の事情を合わせて考える必要があります。
需要が細っていく地域の物件で、住む予定も活用の見込みもないのなら、価格が下がりきる前に検討する意味はあります。一方、需要が底堅い都市部の物件や活用の余地がある場合は、慌てて手放す必要はありません。まずは相場と物件の状況を整理し、売却・保有・活用の選択肢を並べて比べてみることをおすすめします。
8. まとめ:不動産の今後の価格を見極めて後悔のない判断を
今後の不動産価格は、人口減少・金利上昇・相続や空き家の増加という複数の要因から、全国平均では下落圧力を受けやすい局面にあると考えられます。同時に、都市部の一等地とその他の地域とで二極化が進むという見方も有力です。
大切なのは、全国の値動きに一喜一憂することではなく、公的データで相場を確認し、保有する物件の立地や需要を個別に見極めることです。売却か保有かで迷ったときは、中立的な立場で選択肢を整理してくれる相談先を持っておくと、後悔の少ない判断につながります。
相続した不動産の扱いに迷ったら、早めに情報を集め、行政書士や不動産関連の専門家に相談しながら、自分に合った選択肢を整理していきましょう。
【免責事項】
本記事に記載した不動産価格の見通しや考察は、執筆時点の公開データと市場動向をもとにした執筆者の個人的な見解であり、将来の価格や取引の結果を保証するものではありません。実際の不動産取引にあたっては、ご自身の責任と判断において行っていただきますようお願いいたします。
京都・大阪で相続した不動産の今後に迷ったら、行政書士葵法務事務所へ
行政書士葵法務事務所は、京都市と大阪市を中心に、相続した不動産の処分や空き家のご相談を、行政書士と宅地建物取引士の有資格者が中立的な立場でお受けします。弁護士や土地家屋調査士など各士業と連携しながら、売却も保有も含めて選択肢を整理しますので、まずは無料相談からご利用いただけます。
不動産価格の今後を一人で見極めようとせず、ご自身の物件に合った判断材料を一緒に整理するところから始めてみませんか。

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